2010年09月06日

NIPPON SENSE プロジェクト概要


NIPPON SENSEは静岡商工会議所と静岡県家具工業組合加盟の家具メーカー等が、経済産業省・中小企業庁が実施しているJAPANブランド育成支援事業の採択を受け、平成19年~21年度の3年にわたり、静岡の伝統的な技術力をベースに、国際市場を知り尽くしたデザイナー:セルジオ・カラトローニ氏のデザインコンセプトのもと、「国際市場で支持されるグローバルスタンダード」=「静岡家具ブランド」の確立を目指し、取り組んだプロジェクトです。  


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2010年09月06日

NIPPON SENSE プロジェクト・コンセプト

私たちは、行き場を失いかけている旅人である。同じところをいつも堂々巡りしている。どこに行けばいいのか、どの道を歩めばいいのか、混沌の中で、新しい光を見い出せないでいる。私たちは、いつから自分たちに自信を持てなくなってしまったのだろうか?私たちは、いつからアイデンティティを問うことを止めてしまったのか?どうやら、日本人であることを、ずっと奥にしまい込んでしまったようだ。私たちは、長い歴史の中で、四方を海で囲まれた風土の中でそして、豊かな四季と自然との共生を通して、独自の文化を形成してきた。そこには、類を見ない独特な美意識、哲学、感性、作法、生活の知恵が流れている。美しさをカタチに表していく精度の高い技術も育まれてきた。私たちは、いつからこの宝物を封印してきたのだろうか?経済効率を第一に考え、上辺の合理生活を目指した結果が、今の日本をアイデンティティなき姿に変えてしまったのか? 私たちは、今一度日本の美意識、感性を蘇生させなくてはならない。国際社会の中で通用する、真のグローバルスタンダードを創造するには必要不可欠なことである。しかし、それは日本の押しつけではなく古来のものをそのまま提供することでもない。多くの知性と感性を備えた人々が注目し、魅力を感じている日本のセンスを、現代に昇華させることである。 それが出来るのは、数少ない日本のクリエイターと文化を生活の基軸に考えているヨーロッパのクリエイターなのかもしれない。私たち日本人が気づかない、そして忘れてしまった日本の魅力を静岡が育んできた技術と知恵を活かしながら現代にロングライフデザインとして産み出していくこと。それが、このNippon Senseプロジェクトの目指す道である。イタリアのデザイナー「Sergio Calatroni」氏を迎え私たちの旅は、ようやく道を見出し、始まったばかりである。その最初のプロダクトを、「文化大国 フランス」でデビューさせることは一つの挑戦であり、自信であり、そして名誉である。

プロデューサー 甲賀雅章  


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2010年09月06日

NIPPON SENSEデザイン・コンセプト

日本の感覚。センシティブなデザインと機能的なフォルムの新しい 日本のデザイン。純粋で詩的な特徴を持つ日本のデザインは長い歴史を持つ物だ。 その性質は幾本もの異なるラインを統合して、純粋さを追求する所にある。シンプルさへの信仰。即ち厳格さ、力、シンボルの持つエネルギーなどへの 信仰。そのいずれもが神道、仏教の教理を起源とするもの。 このデザインは日々の暮らしにおける実用性と美しさや機能についての研究、 日常の暮らしの道具であるオブジェの形を介しての結果に他ならない。 このデザインは、また瞑想の道具でもある。 これが “ニッポン センス”のエッセンスであり、また使命でもある。 表層的な部分は、全て除去して、エッセンスだけを残した物である。エッセンスと調和がこの“ニッポン センス”の心上である。美しいものは問いかけさせない。説明も不要である。ただ一つの文化のみに属する事も無い。美しさは、時を経ると共に自ずと伝わって行く物である。重要な要素は素材である。素材が生命なのである。 素材が伝達を行うのである。素材は静かでありながら話、語る。確かな素材と確かな記号。この二つは、基本的な要素である。 繊細なデザインの魂がこの二つの要素を調和させ、 一つのフォルムの中に呈示する。つまりオリジナルなデザインが生まれる。オリジナルとは何ぞや。オリジナルとは例を残す物であり、継続性を持つ物を言う。 物をデザインする者とそれに従う者は、同じ目的の下に共に働く。同じ価値観がこの両者の基盤として横たわっている。シンプルさの中のバランスを見いだす事。空と地面の持つ美しさはすばらしい。それらに触発されてフォルムもすばらしい。 我々は自分なりのバランスと中心を見い出す為に自然からヒントを得ようとする。デザインは自然との間に平和を見いだす為の一つの手段とも言える。それは自然と自然現象についてを瞑想する方法でもある。“ニッポン センス”は即ち、様々な自然を深く観察する為の手段だと言えよう。決して美意識の訓練などではない。統合にたどり着く為の複雑さを組織立たせる一つの道具だと言って良い。これが“ニッポン センス”のメッセージであり、又、その狙いでもある。

デザイナー、建築家 セルジオ カラトローニ  


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2010年09月06日

NIPPON SENSE プロデューサー履歴

甲賀雅章
1951年日本、静岡市生まれ。インテリア、ディスプレイ、デザイン・編集会社を経て1975年株式会社トマト設立、主に広告制作に携わる。1985年株式会社シーアンドシー、1991年株式会社シーアイセンターを設立。広義の意味でのデザイン、文化政策を、21世紀型経営の最重要戦略資源として位置づけ、企業、組合、商店街、地方自治体等の活性化におけるコンサルティング活動を展開。CI戦略、コミュニケーションデザイン、新商品開発、新業態開発、空間プロデュース、イベントプロデュースと、その活動領域は広く、現在、地域・社会の問題をデザインとビジネス手法で解決すべく、新たなソーシャルエンタープライズの設立を検討中。県や市の公職も多数。

photo Kouichirou Ootsuka

シーアイセンター
〒420-0034 静岡県静岡市葵区常磐町1-8-6 アイワビル2F
Tel.054-253-5334 Fax.054-253-3903  


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2010年09月06日

NIPPON SENSE デザイナー履歴

Sergio Calatroni
1951年イタリア、サンタ ジュレッタ生まれ。
1975年セルジオカラトローニ建築デザインスタジオ設立。日本とも縁が深い世界的な建築家で、東大客員教授を務め、資生堂の化粧品のパッケージングデザインから、ダマスカス(シリア)の日本大使館の設計などを手がける。建築の枠に留まらず、デザイナー、アーティスト、ジャーナリスト、写真家、コピーライター等と多才な創造は多彩な活動に発展し、展覧会の企画監修も行う。その活動は、ミラノを中心にベイルート(レバノン)、ダマスカス(シリア)、マラケシュ(モロッコ)、サンパオロ(ブラジル)、北京(中国)、東京(日本)と世界を行き来して繰り広げられている。

photo Giuseppe Pino

Sergio Calatroni Artroom srl
Corso di Porta Nuova 46/b
20121 Milano ITALY
Tel.+39.02.6555816 Fax.+39.02.45474027
  


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2010年09月06日

NIPPON SENSE メーカー・リスト

株式会社 エム・ケー・マエダ家具
創業以来MKマエダは「シンプルモダンで革新的なデザイン」をコンセプトに81年間、生活に関わるインテリア収納、空間を提案してまいりました。世界に誇る確かな技術で、快適な使い心地と美しさを追求し、個人住宅、集合住宅、商業ビル、各種店舗まで幅広いトータル空間プロデュースを行っております。

起立木工 株式会社
起立木工は、日本の中心 静岡の、企画開発から設計・製造・販売まで一貫している、総合家具メーカーです。自社工場に於いては、古来から日本に伝わる木工技術を活かした付加価値性の高い製品を生産しており、その技術力・加工精度は高い評価を得ています。一方、約40年にわたりヨーロッパから高級家具を輸入、特にオランダ家具(ダッチカントリーデザイン)は有名メーカーとの長い信頼関係をもとに、日本一の輸入量を誇っています。据え置き型の一般家庭向け家具を日本全国に供給する傍ら、マンション・店舗・医療施設へ作り付け型家具のオーダーにも対応しています。適切な材料の選択、緻密な設計と品質の良さが市場の要望を満たします。

DCS corp.
会社設立時はデザイン事務所という成立ちのため、デザインに強いこだわりを持っています。40年間に渡りOEMで鍛え上げた技術をベースに2005年に待望のオリジナルブランドABOVOを立上げました。様々な部材の集合体となる照明器具、そのもの作りの背景を構築するために日本の伝統工芸から新素材に至るまで常に目を光らせ、日々研究開発に取り組んでおります。ヨーロッパの皆様が今まで目にしたことがないような日本オリジナルの照明器具をご提案いたします。

東海家具工業 株式会社
創業以来半世紀に渡って木製家具造り一筋。現在国内ではオリジナル木製家具をはじめ、OEM製品、特注家具、各種施設・店舗等の造作家具を手掛けております。また、インドネシアへも生産拠点を置き、彫刻や象嵌を取り入れた独創性のある商品をはじめ、高級ピアノ塗装を活かした製品造りを生産しております。

株式会社 松永家具
当社は昭和の初期に創業して、現社長で三代目である。元々は高級ドレッサーを専門に製造していた。ドレッサーという品目は非常に繊細な技術を必要としていたのでそうゆう細かい作業が得意である。また、基本的に製造から、塗装、仕上げ、梱包まで自社で一貫生産するので品質に関しても安定している。設備も静岡では最新の製造設備があり、それも品質の安定に寄与している。OEMも相手先の要求に応えられる様努力している。
  


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2010年09月06日

01 Linneo Cabinet(1)

<リンネオ キャビネット>
白い家具。積み重ねたボリュームから成り、幾何柄で装飾されている。色はぼかしにし、抽象的な構図から成っている。全て天然木が使用されているが、部分的には彩色されている。この無駄の無いボリューム感を持つ収納家具は、彫刻や建築からヒントを得たもの。構造は古くて新しい。引き出しや扉の開閉部は、外からは見えない。小さなモニュメントの様である。この家具は様々な観点から見る事が出来、様々な機能を持っている。各側面毎に各々異なる特徴を持っている。積み重ねられるボリュームは、お互いに寄り添いながら空間を創り上げる。奥行きを持たせた家具と言う事が出来よう。



Design / Sketch / Photo Sergio Calatroni
Location Shizuoka, Japan

Size w=700 d=700 h=1,115
MDF/インクジェット印刷 ウレタン塗装4パーツ連結
MDF/Inkjet printing, Urethane coating with 4 parts connection.

この製品に関する問い合わせ先  株式会社 エム・ケー・マエダ家具 TEL 054-643-6911  


Posted by NIPPON SENSE(ニッポンセンス) at 14:57Linneo Cabinet(product)

2010年09月06日

02 Inclined Chair(1)

<安楽椅子>
この安楽椅子は、丈が低く、リラックス出来て居心地が良く、容易に移動させ得る。形はシンプルで構造はわずかな要素から成っている。限られた大きさに納められている。極端に場所をとらない快適なポジションで身体を休められる様に作られている。角度を持った二枚の板(即ち、座部と背もたれ部分と)で構成されたオブジェと言える。団欒の場にも相応しい。品質の高い木で作られている。作業は細部に迄神経が研ぎすまされた静岡の木工の特徴そのものから成る。アクリル生地がかぶせられている。





Design / Sketch / Photo Sergio Calatroni
Location Shizuoka, Japan

Size w=590 d=825 h=740
ナラ無垢 / ケヤキ無垢 アクリル生地使用 ウレタン塗装
Natural oak lumber / Natural zelkova lumber, Fabric 100% acrylic , Urethane coating.

この製品に関する問い合わせ先  起立木工 株式会社 TEL 054-283-6111  


Posted by NIPPON SENSE(ニッポンセンス) at 15:22Inclined Chair(product)

2010年09月06日

03 Lunasma Table(1)

<ルナスマ テーブル>
三つ足の、黒いピアノフィニッシュ鏡面仕上げの丸テーブル。脚の一部を斜月にカットして、抹茶の緑に彩色している。大きな黒い鏡は周囲を映し出す。黒の形はとどまらない。その上に周囲の風景を映し出す。黒い鏡面仕上げを日本人が素材にほどこすことによって、そこに永遠と距離感の抽象が生まれる。また、透明のベールをかぶった様子は、結婚式のウェディングドレスが元になっている。脚の“甲”であるグリーンの部分は、真っ黒な溶岩が転がる荒地に道を作り出す、優しい野の花の蕾を表している。



Design / Sketch / Photo Sergio Calatroni
Location Shizuoka, Japan

Size w=900 d=900 h=700
ボディ/MDF 胡桃単板+楢単板+桜単板の貼合せ 生地色 ポリウレタン塗装
Body/MDF, Walnut veneer + Oak veneer + Cherry tree veneer Plywood with Natural finish and Polyurethane coating.

この製品に関する問い合わせ先  東海家具工業 株式会社 TEL 054-647-1731  


Posted by NIPPON SENSE(ニッポンセンス) at 15:44Lunasma Table(product)

2010年09月06日

04 Mirror Lamp(1)

<ミラーランプ>
水面に映る月が、このランプのインスピレーションである。月は、夢をみさせる星であり、水はとらえがたい要素である。光はどこかしら魔法のようであり説明しがたい存在である。照明具が意味するところのものは多い。明かりは感覚に影響を与える。変化し続けるものなので、完全には規定出来ない。夜明けの光、夕暮れの光、冬の日中の光、春の黄昏時の色。各場所毎に光は異なる。各光毎にその影を作り、その厚みを作り出す。この照明具は、大理石の円板あるいはつやを出した木の円盤の上に、ガラスの球体を置いたもの。台の上に輝く地球が映る。この照明具は、あるビジョンの記憶である。空に浮かぶ夏の月についての詩の記憶である。





Design / Sketch / Photo Sergio Calatroni
Location Shizuoka, Japan

Size w=350 d=350 h=190
ガラス、MDF 黒色塗装仕上 / チーク突板 クリア塗装仕上 / 大理石
Glass and MDF black coating / teak board with clear coating / Bianco Carrara (Marble).

この製品に関する問い合わせ先   DCS corp. TEL 054-667-3232  


Posted by NIPPON SENSE(ニッポンセンス) at 16:18Mirror Lamp(product)